タップでDingDong♪回路
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「M8031−2S」は、簡単にチャイム音を鳴らせる3ピンICです。
ここでは圧電サウンダ(圧電ブザー素子)とFETをスイッチ代わりにして、圧電サウンダを軽く叩くとチャイムが鳴る回路を紹介します。





圧電サウンダは言うまでもなく電気信号で音を鳴らす素子ですが、逆に振動を加えれば電気を発生します。圧電サウンダのリード線にLEDを接続して、暗いところでサウンダを軽くはじいてみれば、一瞬LEDが光ることで確かめられます。発生する電気は、電圧は高いのですが電流はあまり取れません。
一方2N7000などのエンハンスメント型MOS−FETは、ゲート−ソース間に+数Vを印加するとドレイン−ソース間がONになって導通する素子です。バイポーラトランジスタ(以下トランジスタ)の場合ONになるベース電圧は0.6V位ですが、FETではこれよりも高くて2N7000の場合5V位欲しいです。ただし、トランジスタの様に電流で動作するのではなくて、FETでは電圧で動作するので、ゲートへは電流は流れません。(う〜ん・・・厳密に言うとゲート容量(2N7000で数10pF、TO−220パッケージの大きなFETならは数千pF)があるからそれを充放電する分流れますが)
さて、圧電サウンダからは電流は流せないけれど高い電圧がでてくる、一方でFETをON/OFFするには電流は要らないけれど少し高めの電圧が必要となると、組み合わせて実験してみたくなりますね?
そこで圧電サウンダで発生する電圧でFETをONにして、それをスイッチの代わりにしてチャイムを鳴らす回路を考えてみました。


圧電サウンダを軽く指ではじくと、一瞬だけ高い電圧が発生して2N7000のゲートを「開き」、D−S間がONになって、M8031−2Sの電源をショートします。すぐに2N7000はOFFになるので、M8031−2Sには電源が供給され、DingDong♪のチャイム音が2回繰り返し出力されます。ICの出力そのままでは音が小さいので、トランジスタで増幅してスピーカーを鳴らします。
ツェナーは、これが無いと圧電サウンダを強くはじくと±60V(手持ちのオシロスコープで観てみた結果)の電圧が発生して、2N7000のG−S間耐圧(瞬間でも±40V)を超えてしまうため、これによる破壊防止のためのものです。10〜20Vの物でしたら使えます。
0.1μFは積層セラミックコンデンサ、抵抗は1/4Wが1/8Wの安価な炭素皮膜が適当です。4.7MΩは1MΩ〜10MΩ位ならどれでもOKです。
圧電サウンダは、電池をつないだだけでは鳴らない、発振回路が内蔵されていないものを使用します。
ケースなどにシッカリと固定してしまうと、かえって感度が悪くなってしまうようです。ケースに取り付ける場合には、多少カタカタするように取り付けると良さそうです。