2石FMワイヤレスマイク
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2個のトランジスタを使った、シンプルなワイヤレスマイクの回路です。
FMラジオで受信します。AMラジオでは聞けません。

プリエンファシス等の回路はありませんので音質には期待できませんし、周波数の安定度もイマイチかもしれません。
その点はご了承の上、組み立てて遊んでみてください。



●回路図


左側のトランジスタで発振と変調、右側のトランジスタはバッファです。
発振周波数の調整は、コイルを伸ばしたり縮めたりでもできますが、ここではトリマコンデンサを使用して
少しだけ容易になるようにしました。
トランジスタは小信号汎用NPNトランジスタでfTが100MHz以上なら大抵のものでOKですが、
(多分2SC1815でも動作はすると思います)
ここではfTが300MHzのフェアチャイルドの2N3904を使用しました。
コンデンサマイクは1.5Vから動作するものを選びます。
コンデンサはフィルム系はNGです。5pFはセラミック、それ以外は積層セラミックコンデンサを使用しました。


●部品配置

 ※部品面(部品を取り付ける面=銅箔が付いていない方の面)から見た図です

 簡単な回路なので、36×47mmの小さなユニバーサル基板上に組み立てます。
 2N3904はおなじみの2SC1815とはピン配置が異なるため、注意してください。

コイルは0.8φのスズメッキ線を5mmの芯に巻いて作ります。
巻くための芯は、ドライバーの軸や、5mmのドリルの刃などが良いです。
スズメッキ線をよく伸ばしてから、芯に強く巻きつけて、10回密着させて巻いてください。


その後芯を外して、巻線が均等になるように注意しながら、15mmの長さに広げてください。





マイクにはHOT(+側)とCOLD(−側)の極性があります。間違えると動作しません。
アンテナ線には50cm程のビニール被覆線を使用します。

●使用する部品について
この回路に使用する部品は以下の通りです。
○トランジスタ 2N3904           ・・・  2個
1/4W炭素皮膜抵抗 (1/6Wや1/8WでもOK)
        220Ω             ・・・  2個 (色帯は赤赤茶金)
        1kΩ              ・・・  1個 (色帯は茶黒赤金)
        47kΩ             ・・・  2個 (色帯は黄紫橙金)
○トリマコンデンサ 10pF           ・・・  1個
セラミックコンデンサ 50V 5pF      ・・・  3個
積層セラミックコンデンサ 50V 1000pF ・・・  1個
              50V 0.1μF  ・・・  2個 
エレクトレットコンデンサマイク         ・・・  1個 (2線式 HOT側とCOLD側の見分けはこちらの写真
○ユニバーサル基板 (36×47mmの物)    ・・・  1枚
単三電池1本用電池ボックス           ・・・  1個
スズメッキ線 0.4φ             ・・・  50cm位
        0.8φ             ・・・  30cm位
○ビニール被覆線                 ・・・  50cm位
※その他、ハンダ(電子工作用のヤニ入りハンダ、0.8mmか1mmのもの)と単三乾電池1本が必要


●工作について
キットや雑誌付録などの「専用基板」による工作では、基板の所定の位置に部品を挿し込んでハンダ付けすれば
基板上に予め作られた銅箔のパターンで配線もされてしまいますが、
ユニバーサル基板では部品間の配線も行わなければなりません。
その分、自由度の高い工作ができますので、専用基板での工作の次のステップとして、是非試してみてください。

部品を基板の銅箔の無い側から挿し込んで、銅箔側でランド(基板に付いている丸い金属)にハンダ付けして、
スズメッキ線を使用して各部品の間を配線します。
極性がある部品は、向きを間違えてしまうと動作しませんし、最悪壊れてしまいます。
間違えて取り付けてしまうと外すのもヤッカイです。注意深く作業してください。

完成すると、下の写真のようになります。





●動作の確認
ハンダ付けかが終わったら、即電池を入れて・・・とはしないで、まずは少し休息を入れてください。
電源を入れる前に、必ずハンダ付けの不良や部品の付け間違い、向きの間違いなどが無いか?
よ〜〜〜く確認してください。
OKでしたら、新しい乾電池を電池ボックスに入れてください。
もしテスターをお持ちでしたら、電池から流れる電流を計ってみてください。
おおよそ5.5mAでしたらまずはOKです。倍くらいも違うようでしたら電池を外して、今一度配線をご確認ください。

FMラジオ(アナログ式が良いです)を用意して、FM帯の放送が無い周波数にダイヤルを合わせます。
ワイヤレスマイク回路のトリマコンデンサの中の+のミゾにコアドライバーを当ててゆっくりと回してください。

どこかでラジオからの雑音がスッと消えて、ラジオとの距離や音量によってはピーッとハウリングを起こすと思います。
ラジオを少し離して、マイクの近くに何かしらの音源を置き、ラジオのダイヤルを微調整して受信できれば完成です。

コアドライバーが無い場合、細いドライバーでトリマーを回してください。
ただし、金属製のドライバーをトリマに当てると周波数が大きくずれてしまうかもしれませんので
少しずつトリマを回しては、ラジオのダイヤルを回して受信できるところを探してみてください。

こちらの試作では、トリマコンデンサの調整により概ね75MHz〜90MHzの間で送信周波数を調整できました。
電波の到達距離は10mほどですが、受信に使用するFMラジオの性能によっても大きく変化します。
もし到達距離をのばしたい場合、ラジオのロッドアンテナが短ければビニールひふく線などを使って少し長くすると
受信できる距離をのばせる場合があります。



●仕様など(電源が1.5Vの時のおおよその値)
 ・送信周波数                 ・・・   約75MHz〜90MHz
 ・回路電流                  ・・・   約5.5mA
 ・電波の到達距離               ・・・   約10m


●部品のセット販売について
今回使用した部品一式(乾電池、ハンダを除く)をセットにてご用意しております。
価格は1セット 250円、送料は別途160円です。(送料は複数セットご注文いただいた場合でも160円)
「2石FMワイヤレスマイク 部品セット」としてご注文いただければ幸いです。
ご希望の方はお名前、お届け先ご住所、ご注文の商品名と数量を明記して、
メール(ecw@sweet.ocn.ne.jp)にてご注文ください。
お支払の方法などは、こちらをご参照ください。
ビニール被覆線の色は、写真(黄)とは異なる場合がございます。予めご了承願います。