数多くの電子部品を配線する時に、電子部品を固定し、配線を作るための「板」が基板です。
市販の電化製品や電子工作キットでは、特定の回路に合わせて設計された「専用基板」が使われます。
専用基板では、部品を基板にハンダ付けすればほとんどの配線も基板上の銅箔によってできてしまいます。
(基板に銅箔をプリントしてあるように見えるので、プリント基板と言います。銅箔のパターンを作るのは
基板に銅箔を印刷するのではなくて、基板に貼った銅箔を必要な部分除いて薬品で溶かし去るエッチングにより行います)
下の写真はLEDを交互に点滅する簡単な回路のための専用基板です。それ以外の回路には使えません。

何か回路を考えて配線するたびに基板を設計してパターンを起こし、エッチングしたり穴あけしたり、
あるいは基板作成業者に発注していたのではたいへんです。
アマチュアの電子工作や、1個とか数個の試作の場合、ユニバーサル基板を使用する事も多いです。
ユニバーサル基板は万能基板とも言います。昔は蛇の目基板とも言いました。
ユニバーサル基板では規則正しく沢山の穴が開いていて、この穴に部品のリード線を挿し込みます。
裏面または両面には、穴の回りにランドと呼ぶ銅箔(かメッキされた銅箔)があって、
ここに挿し込んだリード線をハンダ付けします。
そのままでは部品間の配線はされませんので、スズメッキ線などを使用して、
一箇所ずつ部品と部品の間を配線します。
専用基板と比べると面倒な工作ですが、その分ユニバーサル基板1種類だけでも沢山の回路に対応できます。



基板の「板」部分の材質は、紙フェノール(紙にフェノール樹脂をしみこませたもの)や
ガラスエポキシ(ガラス繊維の布にエポキシ樹脂をしみこませたもの)などがあります。
紙フェノールは安価ですが、割れやすいです。
ガラスエポキシは割れ難いのですが、少し高価で加工もし難いです。
紙フェノール基板のほうが、ハンダ付けの熱によってランドが少し剥がれやすいようです。