3Vで蛍光灯を点灯する回路
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3Vで蛍光灯を点灯する回路





100V→6V(3Vのセンタータップ付)の電源用トランスを使って、3V(乾電池2本)で蛍光灯を点灯する回路です。
回路図は下の様になります。

この回路のおおまかな動作ですが、
・電源が入り、トランス→抵抗を通してトランジスタのベースに電流が流れ始めると、トランジスタはONになり
・トランジスタにはトランスのインダクタ値により徐々に増えるように(といっても、ミリ秒とかそれ以下の時間単位の話ですが)電流が流れる
・ベース抵抗とhFEにより電流は制限されるので、やがてトランスへの電流は増えなくなる
・するとベースへの電流がなくなってしまい、トランジスタはOFFになる
・トランスに蓄えられたエネルギーがなくなると、再びベースに電流が流れ始め、トランジスタはONになる
・上記の繰返しで発振し、トランスの100V側には高電圧が発生し、蛍光灯が点灯する
と、なります。

簡単な回路ですので、調整が必要です。
上の回路では、トランジスタがあまり大きくないのと、(もう一回り大きな、2SD880などの方が良かったかもしれません)
トランスも2次側(6V側)に160mAしか流せない小型の物を使ったので
回路に流れる電流を150mA程度に調整しています。
調整は、3.9kΩにより行います。抵抗を大きくすると電流は少なくなります。

インバータ式の蛍光灯と同様、ちゃんと動作していれば、電池をつないだ瞬間に点灯します。

回路図には書きませんでしたが、コンデンサにはマイラコンデンサを使いました。
蛍光灯は、片側に2本の端子が出ていますが、この回路では2本一まとめにして、トランスに接続してしまいます。
トランスには、菅野電機研究所(S.E.L.)のPK−06016を使っています。

尚、電流を150mAに押さえていることもあって、4Wの小さな蛍光灯でもボンヤリ光る程度です。
小型スタンドやキャンプ用ランタンに使えるほどの明るさにはなりません。
理屈で言えば、もっと大きなトランジスタとトランスを使えば、大きな蛍光灯を明るく光らせられますが
上の回路では回路の動作を安定させる工夫は全くありませんので
例えば温度が変わっただけで、回路の電流は大きく変化してしまいます。(hFEの温度変化のため)
この回路では、ボンヤリ光る程度に留めてください。

※お願い※
蛍光灯は、モロにガラス管ですので、お近くの電気屋サンなどでお買い求め下さい。
トランスですが、申し訳ございませんが、当店では扱っておりません。
多少電圧などが違っても動作すると思いますので、お手持ちの物などを活用してください。
使わなくなったACアダプタなどの中にも使えそうなトランスが入っているかもしれません。
電池で動作する回路ですが、蛍光灯の側には高電圧が発生します。
感電しないよう、充分に注意してください。