電池1本で動作する、暗くなるとLEDが点滅する回路
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ミニソーラーライト用のICで「CL0116」というモノがあります。
基本”フリーラン”の昇圧回路なんですが、4本足で1本の足には太陽電池をつなげるようになっています。
この端子が0.1V位になるとICは発振を始めてLEDが点灯し、
0.4V位になると発振は止まりLEDが消灯、
電池電圧より高い電圧になれば太陽電池から電池に充電電流が流れる、といった動作をします。
もちろんメーカーの意図通りにソーラーライトを組み立てても面白いのですが、私的には「ヒネリ」に欠ける気もします。
そこで太陽電池を接続する端子をちょっと活用して、暗くなると点滅する回路にしてみました。
回路図
概略説明
CL0116は上で述べたとおりのICで、太陽電池をつなぐための端子はSBAT、
他は電源マイナス(GND)、電源プラス(BAT)、
インダクタ(LX)のたった4本の端子しかないシンプルなICです。
電池(乾電池やNiCd/NiMH)1本で白色LEDを点灯することができます。
太陽電池もつながない基本回路は、上の回路図から電池とICと330μHとLED以外を全て外してみてください。
(是非ご自身で図を描いてみてください)
その基本回路に加えて、BAT端子とSBAT端子の間にCdSを接続すると・・・
・明るい時にはCdSの抵抗値が小さいためICのSBAT端子の電圧が上がってICは動作を始めてLEDが点灯。
・暗くなるとCdSの抵抗値が高くなってSBAT端子の電圧が下がりICは発振停止してLED消灯。
という塩梅で、シンプルなのに電池1本で動作する、暗くなると白色LEDが点灯する回路を作ることができます。
0.1μFはICの動作を安定にするためのもので、ICのBAT−GND端子間に、
極力短い配線で取り付けておくと安心です。
それに加えて、回路図の1000pFより右側の回路を追加してみます。
動作としては、1000pFと10kΩとでインダクタとLEDのアノードに発生するパルス状の電圧を拾って
少しだけ分けてもらい、ダイオードから10μFへとチャージします。
10μFの電圧は、LEDが点灯すると少しずつ上昇します。
さて、この電圧をSBAT端子に加えるとどうなるか?ですが、10μFの電圧が上がって行き
0.4V以上でICは発振停止→LED消灯→電解コンデンサへのチャージも停止
→SBAT端子の電圧は少しずつ下がる→0.1V以下になるとICは発振を始めLED点灯
→電解コンデンサがチャージされて0.4VでIC停止・・・
を繰り返すこととなります。つまりLEDは点滅動作を繰り返えします。
CdSもつけておけば、明るい時にはCdSを通してSBAT端子の電圧は上がっていますので
ICは停止したままLED消灯。暗くなれば上記のようにLEDが点滅動作となります。
使用する部品ですが
・CdS → 暗いとき1MΩ位、明るい時10kΩ位の物
・0.1μF → 積層セラミックコンデンサ。円板型のセラミックコンデンサでもOK。
・インダクタ → 小さなもので良いですが、電流を多く流せる巻線の抵抗が小さなものが効率の面で良いです
・LED → 白や青など3V程度で点灯するもの。
赤など2Vで点灯するものの場合、2個直列に接続。色が変化するLEDは中の回路が誤動作するのでNG
・1000pF → セラミックコンデンサ。マイラコンデンサでもOK。
いくつかの値を用意しておいて、点滅の仕方を見ながら変更してみてください。
・1N4148 → 小さなシリコンダイオードなら何でもOK
・10kΩ → 1/8Wか1/6Wか1/4Wの炭素皮膜抵抗
・10μF → 耐圧は16Vあれば十分。50VでももちろんOK。
いくつかの値を用意しておいて、点滅の仕方を見ながら変更してみてください。
と、こんな感じです。
CL0116が入手できない方は、メールにてご希望数量をご連絡ください。折り返し値段と納期をお知らせいたします。
この回路で1秒に2〜4回くらいで点滅すると思います。
点滅の周期や点灯/消灯の比率は1000pFと10μFで調整できると思いますので、
是非いろいろな値に変えて実験してみてください。
(ヒント:10μFを大きな値に変えると、SBAT端子の電圧が0.1Vに下がるまでの時間が延びます。
つまり消灯している割合が多くなります。1000pFを小さな値に変えると、
SBAT端子の電圧が0.4Vに上がるまでの時間が延びます。つまり点灯している割合が多くなります)
思いっきりな空中配線ですが以前当店にて販売していた「1CellLED点灯回路部品セットG」
(すみません、現在は販売を終了しております)に部品を追加して組み立ててみた様子が、下の写真です。
尚、勝手ではありますが、こちらに「〜〜秒に設定したいので適切な値を教えて」とお問い合わせいただいても、
お答えいたしません。
実験して(たとえ失敗したとしても)ご自身で、お気に召す点滅の条件を見つけてください。
そのためにお金にもならないこのコーナーを設け、更新のための時間を費やしているのですから。