ハンダ付けの方法 動画編





電子工作には「必須科目」のハンダ付けですが、やった事はおろか見たことも無い方も多いようです。
キットを手にしてみたものの、ハンダ付けで挫折してしまうのは残念なことですし、
ハンダ付けできても、かなりヘンな付け方をしている方も多いです。
  特に多いのが、ハンダゴテの先にハンダをあてがって溶かし、それをそろ〜りそろりとハンダ付けする場所に持って行くやり方で
  この方法は、一見楽に見えますが(両手を動かす必要がありませんから)
  実は、コテ先が適切な温度だとハンダが落ちてしまいますので、温度を低くしてしまいがちですし、
  何より、ハンダの中に入っている”ヤニ(フラックス)”が全部飛んでしまって、イモハンダの原因となってしまいます。
写真や絵で説明していたのですが、それでも「さっぱりワカラン!」と怒られることもありますので
動画ファイルにしてみました。
動画は、8ピンのICソケットを基板にハンダ付けする様子を録画しています。
内容の概略説明ですが・・・
 ・ソケットを基板に差し込みます
 ・ソケットの対角線上の2つのピンを軽くまげて、基板から抜け落ちないようにします
 ・ハンダゴテのコテ先の汚れを、コテ台のスポンジ(濡らしておきます)で拭き取ります(コテは十分に温まった状態)
 ・コテ先を基板のハンダ付けしたいところにあてがい、そこの温度を上げます
 ・コテ先(とピンと基板の間あたり)にハンダを当てて、ハンダを基板とソケットのピンに流します
 ・先にハンダ付けしたところと対角線上のピンを、同様にハンダ付けします
 ・残りのピンも同様にハンダ付けします

「お直し券」を使って修理を依頼される基板を見て思うのですが、ハンダ付けをするのは何故なのか?が理解されていない場合が多いようです。
ハンダ付けは、金属同士(この場合、基板の銅箔とソケットのピン)を電気的にも、機械的にも、しっかりと接続するために行います。
ですから、ソケットのピンや抵抗・コンデンサのリード線の先にマッチ棒よろしくハンダの玉が乗っているだけで
基板とは接続されていないようなハンダ付けは、まったく意味がありません。
(↑の様なハンダ付けで「ちゃんと工作したのに動かない!ICが不良だ!!」などといわれる事も結構あります)
工作してもなかなか思うように動かない方は、ハンダ付けを何故するのか?をもう一度確認して、工作してみてくださいネ。



前置きが長くなりましたが、動画ファイルはこちらをクリックして、ダウンロードしてください(wmv形式 約1.2MB)


すべての事に言えると思いますが、最初から上手に出来ることなんてありません。
ハンダ付けも、最初は思うように出来ずにイライラすることと思います。
思うように出来ないからといって、すぐに「出来ない!説明が悪い!!」とキレてしまっては、せっかく電子工作にめぐり合ったのにもったいないです。
私だって、いまだにハンダ付けの不良で作った物が動かない場合があります。
動かない場合の原因を調べるのも、電子工作の楽しみだと思うと、上達も早くなり、楽しみも広がると思います。


板金工作は経験済みで電子工作未経験の方へ
動画を見て「ペースト」は必要無いのか?と思われたかもしれません。
電子工作では、原則的に板金用ペースト使用厳禁です。「使う必要が無い」だけではなく「使ってはいけません」
電子工作に板金用のペーストを使ってしまうと、ペーストによって基板や部品が腐食されてしまい、後の故障の原因となってしまいます。
ハンダ付けをしやすくするために基板にはフラックスが塗られていますし、ハンダの中にも同様の物が入っています。
それに加えて板金用のペーストを使う必要は全くありません。
もし、ハンダ付けしたところを直す場合などで、ハンダのノリが悪いと感じられたら、
ハンダ付けする部分を目の細かい紙やすりや、カッターナイフの先で軽く磨くと良いです。
それでも不安でしたら、基板作成用のフラックス(あるいは電子工作専用のペースト)を薄く塗ると良いと思います。