ハンダ付けした箇所のチェックの方法
お客様から度々「ちゃんと工作したのに動かない!」とお叱りをいただきます。
こちらに送っていただくと、まず95%はハンダ付け不良です。
そのうちの90%は、ちょっと慣れた方なら一目でNGと解る状態です。
ここでは、ハンダ付けがちゃんと出来ているかどうかの確認方法を簡単に説明いたします。
●まず、心得
心得などとたいそうな事を言い始めてしまいましたが、どうって事はありません。
ただ一つ「自分の工作は必ずしも正しく出来ていない」と言う事を、受け入れることです。
ところが、工作が上達しない方はこの心得が出来ないようで、
基板上が悲惨な状況になっていても「工作に問題は無いはずだ!」と言い張ったりします。
人間、自分のマイナス点を認めるのは抵抗があるのは解りますが
認めない限り前進はあり得ませんので、とりあえずは自分自身の工作を疑ってみましょう。
●最初は目視
ハンダ付け不良の80%は、目で見てそれと解ります。
理解しなければならないことは、基板に部品をハンダ付けする目的は
「部品のリード線と基板の銅箔を電気的・機械的に接続すること」です。
何を当たり前な!と思われるかもしれませんが、
リード線の先にハンダの玉を作り、基板とは全く接続されていない状態で
「ちゃんと作ったが動かないぞ!」と言ってくる方が、一月に1、2名はいらっしゃいます。
リード線と銅箔がちゃんと接続されているか、目でよ〜く見てください。
銅箔面に艶やかなハンダがキレイに広がり、リード線を中心に富士山のような形になっていればOKです。
鈍い色でゴテゴテボテボテのハンダでしたら、ちゃんと出来ていませんので、その部分は念のためハンダ付けしなおしてください。
●透かしてみよう!
ハンダの際にハンダカスなどで隣同士の銅箔がつながってしまうこともあります。
思いっきりつながってしまえば見つけるのは容易ですが、
髪の毛ほどの細〜いハンダが伸びて、ショートしてしまっている場合など
ちょっと見ただけではなかなか見つかりません。
電気スダンドの光に透かしてみると、その様な場合でも見つけるのが容易になります。
●指でグリグリ
見ても解らない場合もあります。
ハンダ付けした箇所のリード線を1箇所ずつ、ハンダ付けした側から、指のハラでグリグリしてみてください。
ちょっとチクチクしますが、ラジオペンチなどでは力の加減が難しいのでNGです。
ハンダ付けが上手く出来てない場合、グリグリするとポロッと取れてしまう場合が良くあります。
一見基板の銅箔に広がってつながっているように見えても、実はフラックスのカスなどの上にハンダが乗っているだけで
銅箔には接続されていない場合もありますが、指でグリグリするとポロッと取れてしまいますので、大抵見つけられます。
●騙されたと思って
それでも動かない場合、騙されたと思って全ての箇所をもう一度ハンダゴテで溶かしなおしてみましょう。
なにをムダなことを!と思われるかもしれませんが、自分自身の工作の不備を上の方法で見つけるのは
慣れないとなかなか出来ないものです。
ハンダ付けする所には、フラックスを少し塗ると効果的です。
あるいは溶かしたときに少しだけヤニ入りハンダを足しても良いです。
ハンダゴテは充分に暖めておくことが肝心です。
作ったけれど動かないぞ!と言われる方の殆どが、完成を急いでしまっている様です。
早く完成させたいのはよ〜く解りますが、落ち着いて、一箇所ずつ、ちゃんとハンダ付けできたかどうか充分に確認しながら
時間を費やすことを楽しみながら、工作するのが完成への近道だと思います。
また、ハンダ付けが終わったら、そこでスイッチを入れず、とりあえずコーヒーでも飲んで一服してから
もう一度よ〜〜く確認してから動作させてください。
焦ってイライラするのが工作不良を招く一番の原因だと思います。